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【第034回】テレビ番組の作り方(全文テキストあり)

ロケハンの様子


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株式会社ランタンフィルムの山本さんに「テレビ番組の作り方」についてお伺いしました。

  • ロケはキャラバンのようなもの
  • 社員旅行にもエンターテイメントを
  • 番組制作は企画から始まる
  • 制作、技術、キャストそれぞれの強みを生かす
  • ロケハンには、プレロケハンとスタッフロケハンの2つがある
  • 編集には仮編集と本編集がある
  • そして制作は続いていく

株式会社ランタンフィルム
http://www.rantanfilm.com/

ランタンフィルムBlog
http://rantanfilm.sblo.jp/

【オープニング】

長谷川:皆さん、こんにちは。ピープルデザインの長谷川です。本日のゲストは、山本さんです。

山本:こんにちは。

長谷川:どういうことですか(笑)

山本:こんにちは。

長谷川:声、張ってくださいよ(笑)

山本:こんにちは。

長谷川:はい、こんにちは(笑)

山本:こんにちは (笑)

長谷川:山本さんなんですけれども、山本さんって、何している人ですか。

山本:もともとは、CMディレクター出身で、今は製作会社をやっていて、製作するのは、CMを筆頭に広告の映像、VPとか、あとはテレビ番組とか、あとはMusic Clipとか、映像に関するものですね。

長谷川:(映像を)製作をすることをやられていると。会社名とか、言わなくて大丈夫ですか。

山本:ランタンフィルムです。(笑)

長谷川:ランタンフィルム。山本さんは、僕も、ちょっと何をやっている人か知らなかったんですけど、映像系の製作をやってらっしゃる方という理解で大丈夫ですね。

山本:大丈夫です。プラス、広告のプランニングとかもやってます。

長谷川:やられている方です。

山本:得意なのは、広告出身なので、広告的な効果をもった映像づくり。例えば、それはCMもそうだし、番組も広告的な効果をもちたい時の番組とは、得意なのかな。

長谷川:なるほど、なるほど。広告系の映像製作をやられているという理解でよろしいですか。

山本:広告も!(笑)

長谷川:わかりました(笑)映像系の製作の会社をやられている山本さんに、本日はゲストとしてお越しいただきました。それで、この番組ですね。始めに、オープニングトークみたいな軽い話をちょっと入れていきたいんですけども、「何にしようかなぁ」と、いつも僕、悩むんですよ。「そうだなぁ」と思うと、この前Flacebookで山本さんが投稿しているのを見て、「これにしよう」と思うのがありました。

山本:あ、本当に?

長谷川:はい。山本さんって、「1日何回、飯食ってるんですか?」っていう話ですよ。

山本:僕は基本的に、飯はおなかがすいたら食べる。ちなみに、食べるのがすごい好きなので、海外旅行とか行くと、1日7食とか食べる。俺は撮影で、段取りよく食うっていうのが仕事のひとつだから、結局、ツーリストみたいなものなの、映像を作るのって。結局、旗持って、スタッフとキャストを連れて、全部、『顎足(あごあし)』の中で全部仕込むっていうのが仕事の1つだから、自分の旅行の時もすっごいやるわけ。

長谷川:もう、どこ行って、何食って、みたいな。

山本:俺は、地図作る! (笑)

長谷川:修学旅行じゃないんだから。

山本:地図作るし、日程もすごいもの作るの。当たり前だけど、調べれば調べるほど、美味しいものって出てくるでしょう。全部食べたいわけ。そう考えると1日7食になっちゃったりするの。だから、7食食べるために。

長谷川:胃を鍛える?

山本:胃を鍛えるというか、歩くの、途中。

長谷川:腹を減らすために、ちょっと軽く?

山本:そう。おれ、だから今まで海外旅行に行って、病気になったことないもん。なぜかというと、すごい緊張してるから。(笑)スケジュールをこなすことに。

長谷川:それ、全然リラックスできてないと思うんですけど、大丈夫でしょうか。

山本:そう。だから、夜ぴっちり寝れるし、朝もぴっちり起きる。仕事のようにその日のスケジュールをこなすって意気込みでやってるからね。

長谷川:なるほどね。すごいっすね、そこまで組む人、見たことがない。

山本:だから、もう仕事の癖だよね。何か、仕事の流れで撮影とかロケとか行くと、みんながつまらなそうにしてるのが「あれっ?」と思っちゃうから、なんていうのか、ロケを「おもしろかった」と思わせたいから、仕事以外も色々と仕込む訳よ。例えば、ご飯美味しい所を用意したりとか、お弁当とかでも、絶対に汁物を用意したりとか、すごいロケ弁にするのね。だから、そういうのが、やっぱり癖になっちゃってて、旅行した時に「つまらなかったな」というような事をやらないっていうか。

長谷川:もの凄くサービス精神旺盛ですね。

山本:でも、ロケは本当に楽しいからね。

長谷川:ロケじゃないでしょう、旅行でしょう。

山本:いやいや、ロケも。結局ね、何かね、『キャラバン』ってあるじゃん。隊商?砂漠をラクダで渡る。何かね、あんな感じなのよ、撮影って。撮影って基本的には納期があるんだけど、納期ごとにチームを組むような感じなの。例えばレギュラー番組だったら、3チームくらい組むの。週ごとに回していく訳、危ないから。
CMの場合は納期があるんだけど、だいたいCMの場合は2ヵ月くらい。それで番組の場合は1ヵ月くらい。ある種、チームを組んで、準備から・撮影から・編集からっていうのか、『1つの道のりをみんなで歩く』みたいなところがあるのね。だから、すごい仲良くもなるし、逆に言うとプライベートで会いたくないくらい、仲良くなる。(笑)

長谷川:その『道のり』の中で、飽きさせなかったり、楽しんでもらうことが出来るように、色々詰め込んでいく感じですよね。

山本:そう。「山本のチームは楽しいぞ」と思われなきゃいけない。「あそこは、ギャラ安いけど、楽しいぞ」みたいな。(笑)

長谷川:それで、詰めていくと1日7食とか。

山本:そうそう。だからよく、みんなに、友達が飲み会とか用意してくれるじゃない。そういう所ばっかりチェックしてる、悪い所は。

長谷川:それはどういった観点ですか。

山本:店を用意する時の前段階で、おもしろく盛り上げるメールが来ないな、とか。(笑)

長谷川:そこ、素人に求める?

山本:前は会社の、何かの時、俺、『フライヤー』とか作ってたもん。

長谷川:飲み会用に?

山本:飲み会用に。『しおり』とかさ。

長谷川:おもしろい・おもしろい!

山本:だから俺が会社の時の社員旅行って、俺、企画演出部っていう所だから、だいたいそのチーム、一年ごとに担当が変わるんだけど、みんな前の年を乗り越えようとするから、大変なんだわ。(笑)俺の後輩は、『つなぎ』作ったやつだっていて。

長谷川:『つなぎ』?

山本:旅行中、「みんな同じ『つなぎ』を着ろ」って言って。それで、俺にはずっと言わない訳よ。そうしたら、バックプリントが『オレ』だったのよ(笑)とか、そういう感じね。一応、エンターテイメントが仕事だから、そこからしておもしろくないと、気持ちの部分って、作るの、すごい重要じゃないですか。だから、そういうのがあるよね。

長谷川:そこまで、イベント的なもの。仕事も含めてイベント的なものを、より楽しいものに仕上げていく。そうすると、ちょっと仕事の質みたいなもの、あるいは旅行の質みたいなものも、変わってくるんじゃないかっていうことなんですね。

山本:そう、そう、そう、そう。

長谷川:わかりました。ちょっとオープニングテーマで「もう、おなかいっぱい」みたいな感じになってきてるんですけど、今日の本編の方でお話いただくのは、『番組の作り方』をお話いただくような、そういったことでよろしいでしょうか。

山本:はい。

長谷川:それでは、『techghost:テクたま』始まります。

【本編】

長谷川:はい、それで、本編の方にいくんですけども。『番組の作り方』って所なんですけども、話的にどこからの話になりますか。

山本:たぶん、一番単純な流れみたいなことを喋ると、たぶん企画が決まってから製作するっていうだけのこと。『オンエア』するまでの話っていう方のが、たぶん、いいのかな、と。

長谷川:なるほど、なるほど。企画が決まってから、実際に映像を取り始めてから、リリースするまで、というか、発信するまでの流れを、ちょっと順番に、ということで説明させて頂ければと思います、と。

山本:はい。

長谷川:「企画が決まりました」という段階になった時に、その時に山本さんに連絡が来るんですか?

山本:俺は企画からやっている事がほとんどなので。

長谷川:「決まりました」と。

山本:そうそう。俺たちみたいな普通のやつらっていうのは、企画からやってて、企画で勝ってなんぼだからってのがあるんだけど、とりあえず作る時に、「はい、作る」って決まったら、俺はディレクターでありプロデューサーだから、プロデューサーの立場で何をするかっていうと、一番、発注先から言われるのは『スケジューリング』ね。『スケジューリング』がメインで、オンエアの日取りまでのスケジューリングというのは平均的なものがあるから、それでスケジューリングを組む。プラス、だいたいの人は「まあ、山本がプロデューサーだったら大丈夫だろう」ってことなので、俺は裏で『スタッフィング』をする。

長谷川:今のスケジュールっていうのは、納期みたいな日付に対して、「何日に何をやって」「何日に何をやって」っていうタスクを埋めていくような感じですか?

山本:そうそうそう。番組の場合はたいてい、初回とか、初回から4~5回くらい前まではちょっと特殊なのね。それは数字を見なきゃいけないから。だから数字によって構成を変えたりするから、ちょっと特殊な例だから、それはちょっとおいといて。普通の場合はだいたい、オンエアが例えば決まっているじゃないですか。1週間のうちの、何曜日の何時って決まっていると、局に納品するのが、それをだいたい遡って、1週間か2週間前に入れなきゃいけない。

長谷川:結構前に作るんですね。

山本:結構前。それで、1週間か2週間前に納品するんだけど、全部逆算していく訳。当たり前だけど、仕事だから、何となくでスケジュールを入れちゃダメで、結局、編集室とか、撮影のスタジオだとか、撮影スタッフの、例えば「そこに集まれるか」とかを全部仕込んだ上でのスケジュールを作らなきゃならない。

長谷川:わ~!!それは、すごいたいへんですね。

山本:たいへん。だからこそ、プロデューサーは、レギュラー・スタッフというか、自分がいつもやってくれるスタッフというのを抱えているというか、いつも仲良くしていないと、ちょっと難しい所はある。新規の人っていうのは結構難しいから。

長谷川:ですよね。何されるかわからない人って雇えないですよね、怖くて。

山本:そうそう。一番違うのはね、やっぱり、スタッフっていうのはそれぞれ『持ち味』っていうのがあるから。

長谷川:ほ~。『持ち味』。

山本:『持ち味』。例えば、こういうのが得意とか、映像を美しく仕上げるのが得意だとか、構成をするのがうまいとか、あとは例えば、キャストを演出するのがうまいとか。いろいろな持ち味があるから、それを、だから、うまい感じで、一番いい上がりを目標にして、それを持っていくってことだね。スタッフィングするって事だね。

長谷川:なるほど。ちょっとわからないですけど、製作会社さんの規模によっては、1つの製作会社で、中の従業員というかスタッフだけで回すような会社もあるし、より動的に人を集めてきてやるっていう、そういうパターンもあるんですかね。

山本:一番大きな違いは、『技術スタッフ』、いわゆる、撮影とか照明とか、ああいうふうなスタッフと、『製作スタッフ』はだいたい会社が別れている。

長谷川:そうなんですね。

山本:そうそうそう。製作会社の中に技術スタッフも抱えているっていうのは、今はたぶん、全部の映像の世界を含めても、たぶん、かなり少ない。

長谷川:なるほど。

山本:考えて、演出をして、仕上げていくっていうふうな、言うならば、どっちかって言うと『なんでも屋さん』的な立場の人と、『撮ります』とか『ミックスします』とか、そういう、いわゆる『技能を持った人』たちとは、だいたい分かれている。今、どっちかって言うと、映像を作る場合は3社。いわゆる、製作会社と技術会社と、キャストの会社、芸能プロダクションみたいな。3社が協同で作っていくっていうパターンが大きい。それで、テレビ局が『製作部門』を持っている場合もあるし、テレビ局が『技術部門』を持っているので、それがどこにはまるかっていう場合もあるし、何もはめないっていう場合もあるし。

長谷川:その辺は、もう、結構、動的に変わるんですね。

山本:動的に変わっていく。

長谷川:なるほど。そういった関係者が何人か、あるいは何社か、その1つの仕事の中にいる中で、スケジュールを組んで、「じゃあ、この日に誰々、来てよ」っていうのは、全部あらかじめ決めて、実際にそこから、撮影が始まっちゃうんですか、いきなり。

山本:だいたい、スタッフィングのスケジュールが出来たら、発注先、例えば、テレビ局だとか代理店にそれを見せるじゃないですか、それである程度、同時並行だけど、OKが取れる。だいたい、OKが取れるから、まず最初に、テレビの場合は台本を書きます。

長谷川:そういう事なんだ。

山本:台本を書きます。テレビっていうのは台本の要素がすごく強い。だから放送作家というのが、ある種スターかしているっていうのがあって、テレビだと『尺』がすごく長いから、CMとかの場合は、『尺』がすごい短いから、全部を1人でやるっていう事が可能な訳よ。ディレクターが、いわゆる、企画構成を考えて出来るんだけど、テレビの場合はやっぱり『尺』が長いンで、1本、筋道を立てないと、やっぱり難しいのね。まず、作家に企画を説明して台本を書かせる。台本のチェックを、オーソライズでするわけ。各関係者で。それから『GO』。

長谷川:そういうことなんですね。

山本:そう。台本は結局、おもしろさっていうものを足さないといけないから。あと、抑えなければいけない部分は抑えつつ、おもしろいっていうものを作らなきゃいけないから、台本を送られたら、そうしたら個別にチームを組んで、毎週の場合はだいた2チームか3チーム、絶対必要だから、各チームに作家をつける場合もあるし、全体で1人の作家にする場合もあるんだけど、もう、それごとに個別に進めていく。そうしたら、まあ、台本をもらった時点で『ロケハン』があって、『準備』があって『撮影』があって『編集』があって、まあ、『仮編』があって『本編』があって『MIX』って『MA』っていう作業があって。

長谷川:ちょっと、たくさん今、バッ!バッ!バッ!って、来ちゃったんですけど、その『ロケハン』の所なんですけど、『ロケハン』もアレですか。さっき言った通り、「何時何分集合」を「何時スタート」「何々やって」「昼飯何」みたいな。

山本:『ロケハン』はね、だいたい『プレロケハン』というのと、『スタッフロケハン』というのと2つある。

長谷川:あ、そうなんですか。いきなり撮る訳じゃないんですね。

山本:いきなり撮らない。『プレロケハン』というのは、だいたい製作のADクラスが、企画と構成も。企画の段階で、だいたいもう、番組っていうのは、だいたい見ればわかると思うんだけど、レギュラー番組ってだいたい、そのネタって見えるじゃないですか。類するネタなんだけれども、その段階、決まった時点でリサーチをかけるのね。リサーチと同じレベルで、ADクラスが、『ロケハン』を開始するという訳だよ。

長谷川:そこで言っている『リサーチ』って、何をかけるんですか。

山本:単純に言うと、例えば、一番わかりやすいのは、『エコ』の番組だとするじゃないですか。『エコ』の番組をやる、と。『エコ』の番組だと、だいたい土・日だよね。『エコ』っていうのに興味があるっていうことになると、やっぱりお父さんとか、お母さんが、ちゃんとした人が見たいから、土・日の番組でしょう。そうするとなると、もう、だいたい『エコ』の中の切り口が決まってくるじゃないですか。例えば『エコ』の中でも、変な話だけど、「水をこのストローで飲めます」とか、どんな水でも。そんなネタよりかは、例えば、「世界でこんなエコのライフスタイルがある」だとか、「エコの企業」だとか、「公共団体の取り組みがある」だとか、あとは「エコの新しい形」だとか、だいたい見えるじゃないですか。そのリサーチをかける。まず、リサーチ会社っていうのもあるんだけど、リサーチ会社にお願いして協力してもらう場合もあるし、ADが自らやる場合もある。

長谷川:「そういうの、興味ありますか?」って、お客さんに聞くんですか。お客さんとか。

山本:いや、『エコ』の、単純にネタ探し。

長谷川:そういうことですね。なるほど。台本(に)それがまた入ってきて、結果としてあがってくると、台本の1つの要素に組み込まれるケースもあれば、っていうこと。

山本:そうそう。且つ、だいたいの場合、作家の大御所っていうのは、自分の作家の、いわゆるグループを持っているから、そういうリサーチ能力のある所も結構ある。結局今は、芸能人が出てるおもしろいっていうのがない時代で、ネタというのはすごい大事だったりするから、番組っていうのは結局、ネタがあって、どう見せていくかっていう違いで、番組って違うじゃないですか。

長谷川:なるほど。そうやってリサーチして、台本を作る。

山本:リサーチと『ロケハン』が、『プレロケハン』が同時にやって、だいたい、その、30分くらいのうちの「ここがメイン」だと、格好もできました。そうしたら、スタッフのディレクターくらいが行く。今度は自分が、最終的に納品の責任を持つ人が見に行く。

長谷川:それが『本ロケ』?

山本:『スタッフロケ』。『ロケハン』というのがあって、それで、だいたい、ディレクターが「見えた」と。そうしたら、今度は作家に、ディレクターはおもしろくするのが責任者だから、台本の作家に「こういうふうに変えろ」っていう指示を出す。こういうふうな、もうネタも揃っていて、こういうふうな流れでいいんだけど、実際に行ったら、「もっとこういうのに気づいちゃった」とか、「もっとここを拡げた方がおもしろいと思った」とかっていうので、もう1回台本を書いてもらう。だから作家はたいへんなの。何度も何度も直すから。

長谷川:いや、その、撮っちゃったのに台本を直すんですか、また。

山本:撮ってないから。スタッフロケハンは。

長谷川:まだ、なんですね。

山本:まだ撮らない。

長谷川:え~!!じゃあ、『プレ』『スタッフロケ』で、その台本が直ったあと。

山本:『プレロケハン』『スタッフロケハン』で、その段階で、台本作家は全部書く訳、想定を。それで撮影なの。

長谷川:わ~!!すげ~!!たいへ~ん!!

山本:たいへん、たいへん。且つ、撮影も、テレビの場合は収録っていう言い方をするけど、だいたいの番組で皆さんがあるというのは、スタジオがあって映像が入るパターンが多いと思うのね。

長谷川:そうですね。

山本:その場合は、スタジオの収録っていうのと、いわゆる、ロケの収録というのと2回ある訳。それで、ロケ収録は1日じゃ終わらないし、ネタが多ければ。全部のVTRが揃ってから、スタジオ収録があるでしょう。だから、僕らの業界では、スタジオ収録とそこに『サブ出し』のVTRが揃ってるっていう。(笑)『サブ出し』のVTRっていうのは、何をするかって言うと、スタジオって言うのは『サブ』っていうのがあるのね。

長谷川:小さいテレビっていうことですか?

山本:違う、違う(笑)

長谷川:調整室のことですか?

山本:調整室。そうそう。よく、なんか「用意、キュー」とかやってるじゃない。あそこからVTRを流す訳。そうすると、番組の、スタジオの出演者達はそれを見ながら収録していく訳ですよ。

長谷川:そうですね。

山本:だから、そのVTRを、ロケのVTRを作ったあとに、スタジオ収録。

長谷川:その、『ロケハン』のいきなりリリースに、今行っちゃったので、その途中があるじゃないですか。

山本:リリースじゃない。リリースじゃない。

長谷川:えと、収録に。あっ、そういうことか。

山本:まだ全然収録に。

長谷川:そこで、まだ収録、終わってないんですね。

山本:そう。生番組の場合は、それでオンエアだけど、生番組って、やっぱり今、少ないから。

長谷川:『笑っていいとも!』くらいですか。

山本:『笑っていいとも!』とか、あとNHKさん。

長谷川:なるほど、なるほど。なので、撮ります。そこで撮るんですね。出演者の方がいたりしたら、『キュー』送って何かコメントをもらって、でもちゃんと、そこの台本は全部あって、喋ってもらって、こう、撮りました、と。で、映像ができました、と。どのくらいの『尺』的に、30分番組。

山本:30分番組だと、だいたい。だいたいね、プロの世界って何度も言うんだけど、『使う尺の3倍』って言われてるの。

長谷川:標準で。

山本:標準。

長谷川:まあ、1時間番組だったら3時間。

山本:3時間で、出演者が多ければ、倍・倍ゲームになっていっちゃう。(笑)よく、だから、有名な番組の場合はね、もう5時間収録に入ってますからとかって書いていたりするじゃないですか。(笑)

長谷川:なるほど、なるほど。

山本:そうそう。だからテレビのスタジオ収録ってどっちかというと、舞台的な部分が多いから、舞台だから、台本にないことも起こるし、芸人さんは芸の見せ合いだから、それで盛り上がっちゃったりして。まあ、おいといて。だから、いずれにしろ、サブのVTRにしろ、スタジオの収録のVTRにしろ、サブの場合はスタジオ収録の前に編集とか、あらかた、抑えておくんだけど、いずれにしろ、収録って言う素材が決まったら編集に入ります。『仮編』というのが入るんだけど、『仮編集』ね。

長谷川:仮編は何をやるんですか。

山本:仮編は、本編。

長谷川:あ、種類から聞きますか。『仮編』があって、『本編』があるんですね。なるほど。

山本:『仮編集』があって『本編集』がある。『本編集』っていうのは、結局、オンエアするものを作ること。

長谷川:最終的なものなんですか。はい。

山本:最終的なものを作る。昔は、そこしかなかったとかするわけ。本編集しかなかった時代もある。

長谷川:『切って』『貼った』は、どこでやるんですか。

山本:『切って』『貼った』は、だから、前は、本編集の中で、そこでやっていたんだけど、今はどっちかって言うと、本編集は、どっちかって言ったら『飾り付け』。

長谷川:飾り付け。

山本:本編が『お化粧』だとすると、仮編はもう、『スキンケア』。

長谷川:わかんないよ。難しくて。

山本:だから仮編はどっちかって言うと、なんて言うのかな。体を作るんだよね。人間の体を。本編は、化粧するとか服を着るくらい。世の中に出していい感じにするっていうか。だから、本編ではどっちかっていうと、タイトルも。仮編でもタイトルは入ってるんだけど、タイトルをより綺麗に見せる、とか。仮編では動いていないものを動かす、とか。一応、ある場所には、仮編でもちゃんと『スーパー』は入ってるんだけど。『スーパー』と『タイトル』は同じ意味ですからね。(笑)

長谷川:はい。文字ですよね。

山本:文字、文字、文字が入ってるんだけど、動かしたりとか、光らせたりとか。あとは、『カラコレ』って言って、『カラーコレクション』。いわゆる、色をきれいにするっていうことをやる。

長谷川:本当にお化粧なんですね。じゃあ、『切って』『貼った』は仮編なんですね、仮編集。

山本:仮編。そこで仮編をやるんだけど、そこで、何段階もプレビューする訳。いわゆる、チーム内でプレビューして、いいか・悪いかもやるし、局の人を含めてプレビューもやるし、スポンサーとかに見せてプレビューをやることもある。その段階で、厳しく、もう、だいたいの見え方っていうのを決める。それで、最後の仕上げ方っていうのは、番組の全体のトーンっていうのがあるから、そこにはめていく形に近い。だから、本編はどっちかって言うと、お偉いさんさんたちは、あんまり重要視しない。仮編の方が重要視。もちろん、オンエア なんかに関しては、すごい重要だから、最終的には工作とかのところですごい厳しいんだけど、作業自体に関して言うと、仮編の方が、作業をよく見てる。本編に関しては、『あがったもの』で、そこの違いとかあるね。

長谷川:なるほど。それで、仮編集が終わって、本編集が終わって、そうするともう、そこで終わりなんですかね。

山本:本編集が終わったら、『MIX』っていうのがある。

長谷川:MIX?

山本:まあ、MA(エムエー)って言われてて、いうならば、音を『整音』する。いわゆる、調整の「整」に「音」といって、音楽だとか、せりふものだとか、あとはSEだとか。それをバランスよく整える。

長谷川:その、映像の編集の時点では当たり前かもしれないんですけど、音と絵って別編集なんですね。

山本:いや、付いてる、付いてる。付いてるんだけど、もちろん付いているんだけど、音のバランスがMIXされていない状態。もちろんそれも、ディレクターによってはやってくる人もいるけど、最終的にテレビの場合は、音の決まりがあったりするんですよ。「これ以上音を大きくしちゃいけない」とか、そういうふうなルールの中で音を作っていくから。

長谷川:なるほど、なるほど。

山本:DVD用途か、番組用とか、それぞれ、映画によって、音のバランスとか、ボリュームの大きさとかが違うの。

長谷川:そういうことなんですか。

山本:そうそうそう。あとは、映画とかの場合は、立体効果をするとか、いわゆるステレオの配置を分けていくとかって言うのもあるし、そういうふうな、アウトプットによって変えていくというか。

長谷川:それがMIXという作業があって。

山本:そのあと、『プリント』っていうのがある。

長谷川:まだ続くんですか?!どんだけ長いの、これ。

山本:だから『プリント』になると、はっきり言って、2人くらいしかもう残ってない。(笑)

長谷川:これ、具体的にやる作業は。

山本:具体的に言うと、テープにおとす。

長谷川:テープ?テープってどういうことですか。

山本:いや、テープ納品だから。

長谷川:え?今どき?テープってどういうことですか?

山本:いや、あのね。データ納品も今はあるんだけど、まだやっぱりテープ納品の方が多い。

長谷川:テープで納品して。

山本:今のテープってすごいのよ。

長谷川:いや、わかんないですよ(笑)

山本:全部のデジタルデータが再現できるようにちゃんと入ってるのよ。いわゆる、皆さんが考えているような、テープではなく、そこにもう、ちゃんと、劣化しようが戻せるデータが入ってる。

長谷川:まあ、でも、それ、テープって言っているけど、デジタルデータですよね。

山本:そうそうそうそう。

長谷川:そうですよね。そうじゃないと、ものすごい(保存するのに大変)じゃないですかね。

山本:そうそうそうそう。

長谷川:なるほど、なるほど。で、それに、焼いて、それを持って行って、納品完了っていう感じになるってことですか。

山本:っていうふうに言うけど、まあ、だいたい同時並行で3チームくらいが動いているから、終わった感は全然しない。

長谷川:じゃあ、例えば、週1回の番組だったら、また翌週分の作りに行くような感じで、グルグル、グルグル回っていくって、そういう感じなんですかね。

山本:そうそうそうそうそう。グルグル、グルグルって言うか、もう、同時並行でずっと続くから。じゃあ、次っていうわけじゃなくて、もう、次とかっていう考え方がないよね。もう、ずーっと続いてる。1個は納品したがって。

長谷川:なるほど。はい、わかりました。結構、もう、企画を始めてから撮り始めて。まあ、撮る前に『プレロケハン』があってとかいうところで、実際に収録が終わって、その後の編集作業が続いてという、結構長い工程で番組っていうのは作られているんだなっていうのが、結構。

山本:作られてますね。かつ、企画通すのは、1ヶ月とかで通るわけじゃないからね。長ければ、1年前だの2年前から企画提案をずっとしていて、っていうのがあるから、それ考えると、全然。

長谷川:長期戦ですよね。あの、番組、1時間の番組を作るっていうのは、結構それだけ時間かかって作られているっていうのが、結構、僕は驚きでしたよ。なるほど。

今日はお時間が来たので、このくらいの内容で終わりにしようかなと思います。よろしいですか。

山本:はい。

長谷川:では、山本さん、本日はありがとうございました。

山本:ありがとうございました。

2013-03-20 | Posted in techghostNo Comments »